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鯉づくりに不向きな佐久? ![]() 流水のチカラ 成長が遅く大きくなりにくい一方で、千曲川水系の水がもたらす恩恵があった。佐久鯉をつくる上で、最大の特徴といえば、切鯉を流水で3年もかけて育てることにある。低温で高タンパクのエサを与えるので、丈は伸びないが、脂がのって身が締まる。これが佐久鯉のうまさになる。そして流水状態では、鯉のくさみの原因ともなる植物性プランクトンの発生を抑える効果がある。くさみがないという佐久鯉の特徴は、こんなところに理由がある。 そして、やはり最後は人間の“わざ”。毎日魚を見て、毎日水の色を見て、その日の天候や温度によって管理の仕方が変わってくる。先人の知恵と、自らの経験を合わせ、鯉づくりに心血を注ぐ。「鯉は主の足音の多さを聞いて大きくなる」と言われる所以である。 地域ブランド認定 平成20年「佐久鯉」は、特許庁より地域団体商標登録の認定を受けた。鯉の代表的な産地ということで、他の産地から「佐久から盛り上げてもらわないと、鯉の文化が消えてしまう」と期待をかけられる。佐久の食文化も含めての「佐久鯉」だけに、佐久での消費を高めていくことが求められる。 けっして恵まれているとはいえない条件での鯉づくり。しかし「困難をクリアするから、うまい鯉が生まれる」と、佐久養殖漁業協同組合長の飯田好輝さん。佐久の鯉のうまさは、苦労と熱意が生んだ、名品なのだ。 そんなことを考えながら、食べる鯉はまたひと味違ってくるはずだ。 それに、名物は、何といっても産地で食べるのが一番だ。産地、佐久がうまい。 鯉に恋するメンバー ![]() 鯉っておいしいね また、活動の発端となった子どもたちへの「鯉文化を伝える活動」も行っている。学校での鯉の飼育の指導や、稚魚の放流体験、講演など活動内容はさまざま。鯉の話に子どもたちは、思った以上に興味深く耳を傾けてくれた。その後「いか座やら座さく市」でミニ見に水族館をやっていたときに子どもたちから「水間さん、あの時はありがとうございます」と声を掛けられ、「あれから何回も鯉たべたよ」と話してくれた。「とても、うれしかった」と水間さん。まだまだ、小さなことだが、一歩ずつでも、鯉の文化が再び根付きつつあると感じた瞬間だ。 佐久鯉文化を守り続ける ![]() |
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![]() 先人がつくり上げた伝統の味を守り続けるため、佐久の鯉料理店が切磋琢磨し、伝統の味はさらに熟成されていく。 伝統3品と新メニューの詳細はこちらからご覧ください。 |
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