耳を澄ませば![]() 野鳥を追って半世紀 野鳥の魅力は何か。日本野鳥の会会員で、およそ半世紀に渡って野鳥を追い求める中澤和夫さんに聞いた。「野鳥は、ミステリアスな存在。思いがけない場所で、思いがけない鳥にであったり、筋書きのないドラマを見ているようなもの。だから50年近く、追い続けてきても飽きることがない。自然界は常に新鮮」 野鳥の立場で見ると、佐久は特殊な地域だという。まず、鳥というものは空を飛ぶものであり、最も鳥たちが大切なのは、羽をきれいにしておくこと。きれいな羽に保つためには、体を洗う水が必要で、当然、飲み水としても欠かせない。鳥には、いかにきれいな水があるかということが、とても重要な要素になる。 佐久は北に上信越高原国立公園、東に妙義荒船佐久高原国定公園、南に秩父甲斐多摩国立公園、西に八ケ岳中信高原国定高原と、2つの国立公園と2つの国定公園に囲まれている。そのため人工の手が加わらない、自然のままに保護され、安定した自然環境を保っている。その4つのエリアに降る雨や雪が、山岳の土壌でろ過され、伏流水となってこの地を潤し、この天然の水資源が、鳥にとってはまさに命の水となる。 さらに千曲川の流れる低いところでは600m、山岳の高いところで2500mと標高差が2000mほどあり、水辺、森林、山岳と垂直分布が広範囲に及ぶ。それぞれの場所に生息する鳥が違うので、それだけ野鳥の種類も豊富になる。 海鳥が佐久にいる ![]() 東京電力小諸発電所第一調整池は、飛来する水鳥のための浮島や、野生鳥獣保護のためのエコロジーエリア、散策路などが設けられ、野鳥観察に適した場所になっている。 ![]() |
![]() 佐久の自然へ戻る |