信州野沢の風物・名物

佐久市野沢は佐久甲州街道(国道141号)と富岡街道(国道254号)の交わるところ、歴史ある町です。水に深い縁をもち、全国に名高い佐久鯉を現在も多く産出しています。江戸時代初期に大がかりな新田開発が集中的に行なわれたことにより、近世から有数の米作地帯で、佐久の米は上州をはじめ、武州、甲州などの隣接地方から頼みとされました。このために「佐久はまほろば」と形容されてきました。「まほろば」とは優れてよいところの意味で、気候がよいために住みやすく、綺麗な水が豊富に得られ、多くの米が収穫されてきたことを受けて与えられた言葉です。

野沢はかつて佐久市でも一、二をほこる大きな町で、商店街のそこかしこに、往時の名残を見て取ることができます。周辺には田園風景が拡がり、北に浅間山、南に蓼科山と八ヶ岳連峰、東に荒船山、遥か西に北アルプス連峰を遠望できます。花卉(かき)栽培、リンゴなどの果樹栽培もたいへん盛んです。


野沢に来たら食べなきゃ損だよ佐久鯉の料理!

島崎藤村は生前も佐久に深い縁をもつ。彼の旧宅(上)は小諸から貞祥寺(ていしょうじ)の境内に移され、保存されている。

貞祥寺の仁王像と参道。ここは佐久市で最古の名刹(めいさつ)。

当地では野沢菜漬けのことを「お葉漬け(おはづけ)」と呼ぶ。晩秋になると各家庭で野沢菜の漬け込みがいそいそと始まる。


佐久地方は果物の一大産地。毎年たくさんのプルーンやリンゴが全国市場に届けられている。


佐久バルーンフェスティバル(毎年5月上旬)と大花火大会(毎年お盆8/15)。

「さくさく米」は佐久市産のコシヒカリ。おいしいおいしいと大好評です!


金台寺(こんだいじ)に伝わる一遍上人絵伝(国重文)。中世武将の館が描かれており、当時を知る上でも貴重な資料だ。