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セラマキストーブ
佐久ものづくり研究会 チーム暖(DAN)
活動記録
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暖(DAN)のあしあと
 

[試作1号機]

チーム暖(DAN)は、地域資源であるカラマツ間伐材を利用し、 ビニールハウス暖房を化石燃料から木質燃料へ転換する事を前提に、2010年春に活動をスタートしました。 当初計画では、農家の薪割負担を軽減するために、そのまま燃やせる木質燃料を供給する”燃料インフラ”の構築も視野に入れました。

カラマツ専用機

試作1号機は、「100坪程度の2重構造ビニールハウスで厳寒期の花卉栽培に十分な熱量を供給する」事を想定して、 約170MJ/h(約4万kcal/h)の熱エネルギーを夕方から朝まで連続で発生させるものとし、 薪の自動投入やバーナーとブロワを使った燃焼制御方式を採用しました。 最大で長さ45cm×直径25cmに玉切りした丸太を割らずにそのまま燃やすことができます。 温水ボイラを内蔵し、本体からの輻射熱の利用だけでなく、温水配管による熱利用が可能です。

温室薪暖房システム概念

[検証実験]

熱交換機 試作1号機の検証実験では、夕方(18時)から早朝(6時)までの約12時間で、 合計約160Kgのカラマツ間伐材を燃やし、平均約200MJ/hの熱を発生させました(排気などによるロス分も含む)。 最低外気温マイナス7.8℃に対し、ビニールハウス(2重、約100坪)内は、 最低温度の部位で約3℃以上を維持することができました(ファン2基、温水熱交換機1基、温度測定は地面より1mの高さ)。 但し、ビニールハウス断熱用ビニールシートは日々進化しており、その性能が温度維持に大きく影響します。

熱電対とデータロガーにより各部位(9か所)の温度データを収集した結果、 燃焼で発生した熱の約10%が煙突から排出されていることが分かりました。 ブロワによる強制吸気で煙が早く排出されてしまうのが大きな原因です。
 

[考察]

既存の石油暖房機

1号機は、機能面とデータ収集では十分な成果を得ましたが、農家から次の要望が強くあがりました。

 1.当地域では、平地が少なく限られた場所で
  最大限の栽培面積を確保しているビニール
  ハウスが多いので、ストーブの設置に必要
  な面積が大きすぎる。

 2.ほとんどのビニールハウスには、既に石油
  暖房器があるので、全てを薪に置き換える
  のではなく、薪の併用により石油使用量を減らし、温度管理のために従来の石油
  暖房機をそのまま活用したい。

また、カラマツ間伐材による燃料インフラの構築を前提としましたが、 間伐作業に対する国の補助金制度の影響が強く、間伐材は意外に価格や供給の安定が難しいことが分かりました。

農家が所有している山林や、土地整備などで放出される雑木の方が安価で、 材質的に薪に適したものがある事も分かってきました。

[暖(DAN)型ストーブの開発へ]

1号機で得られたデータや経験と、地元のビニールハウスを初め、県内の他地域や、 県外のビニールハウスを訪ね、薪暖房や太陽光による蓄熱などの例も見学しました。
視察した茨城県などの平野部では、1,000坪規模のビニールハウスが多くありますが、 我が長野県佐久地域では、100坪程度のものを複数使用する例が普通です。
 
山間部の多い地域性を考慮すると、暖房機の設置スペースを小さくすることは非常に重要で、 妥協できない開発要件として浮上してきました。

スペース効率アップの為に、薪投入装置を省略し、 一度に大量に投入した薪をゆっくり長時間燃焼させるという方法があります。 "燃やし過ぎず消さない"コントロールは、人手による調整では厄介で、 家庭用薪ストーブに良くあるバイメタルによる吸気口の開け閉めは、 反応が遅く精度も出せませんので、 我々は、ストーブ本体と併せて、高精度の吸気弁装置も考案することにしました。

ゆっくり燃やすことにより、煙と一緒に無駄に排出される熱量が減り、効率も良くなります。

温風ファンや温水については、後付け可能なオプションとして考えるものとします。

この結果が、トップページの"暖(DAN)型 木質バイオマスストーブ "につながります。