
市内には「十五夜さん」にちなんだお祭りがある。そのお祭りは小田井の蓼科製作所の前にあるこんもりとした林の中の草原「皎月原」で開かれる。
そこは現代の「ミステリーサークル」みたいに草が輪の形の部分だけ生えない現象が起きたと云う「皎月の輪」の伝説が残っている場所。江戸時代も巷の話題になっていたみたいで、
「むかしより かわらぬ影を うつしてや 月毛乃駒の 跡のみちしば」という句が、中山道小田井宿本陣にある「夢想皎月記」記され、その句碑も「皎月原」に建てられている。そういえば市内には多くの文化財があるが、「名所」で指定されているのは確かここだけ! 満月の夜、この伝説の地でまかれる「知恵団子」を拾うと頭が良くなりそう!

◆伝説
『皎月の輪』◆
むかし皎月という官女がお咎めを受けて佐久郡の平尾へ流されてきた。いつも白馬を愛していた皎月はある時、小田井の原へ馬を引き出して乗りまわしていた。ところが天の竜馬だった白馬は空をかけまわった後、平尾山の頂上に立ち止まった。そこで皎月は「われは、ただびとでない。白山大権現であるぞ。」といって光を放って岩の中に入ってしまった。その後、官女は白山大権現とあがめられるようになったが、時々小田井の原に下りてきて馬の輪乗りをした。そのあとには草がはえなかったので、そこを「皎月の輪」と呼ぶようになったという。