本年10 月末に地球人口は70 億人を超えましたが、日本の人口は初めて実数で減少して世界に先駆けて「超高齢化、人口減少」の時代が現実になりました。
地球は70 億人の重さに耐えられるのか、10 億人が一日$1.00 以下の暮らしを強いられ餓死ライン上にいると言われています。一言で10 億人と言っても日本の総人口の10倍近くになるわけですから深刻ですよね。結果、地球という貴重な太陽系の「小さな星」は蝕まれ、自然破壊が進み、異常気象、生態系の激変、絶滅危惧種の増加など悲鳴を上げています。
今年発生した世界の災害は過去にない規模、激しさ、記録に無いほどのレベルで地球人に警鐘を鳴らしているように思われます。勿論、3 月11日の東日本大震災、M9レベルの地震は1000
年に一度と言われ、津波も同様です。アメリカのハリケーン、欧州の寒波、アジアの台風、タイの国土の三分の一を超える面積が冠水した豪雨、バングラッデシュの水害、インドの猛暑、地球の軸が移動して日本も亜熱帯地域になったのではと懸念されます。
つまりは過去のインフラ整備と記録に基づく備えは結果不十分で、自然や宇宙からのメッセージに対して、日本の官僚機構も「想定外」を連発していかに税金をがぶ飲みして来たかを晒して厚顔無恥というのが実相です。
1980 年代は円高が欧米の圧力によって誘導された時代でした。そのために私はイスラエル、ユダヤ民族から学ぶべきとして故糸川英夫先生などと同行させていただき、四国程の国土で人口500
万人のイスラエルの概ねすべての大学、研究機関を訪問して可能な限りの当時の最先端の研究者から講義を受けてみました。そこからは「量より質、売り上げより付加価値」「常に世界初、世界一、物まねでないオリジナリテイー」を力説する学者、経営者が居り、人口対比でノーベル賞受賞最多をもって研究開発の先端性を示していました。
当時は「アラブボイコット」の怖さがありイスラエルと交流することにためらいを示す日本の企業が多く、アメリカの積極的な共同研究機関の設置などを見ながら日本の孤立を恐れていました。学んだからと言って実践できていないのがわが身の辛さです。
それから約30 年、世界経済はいわば市場原理主義が限界を超えパワーバランスが崩れて限りない膨張を続け、格差を広げ、実体経済より「ファンド、投機マネー」の通貨量が数十倍に達した結果、世界の希望的経済秩序は破壊されて中央政府は日本も含め統制機能を失って10 数年前にタイから始まった通貨危機はたちまちアジア全域に広がり、韓国経済は破綻の淵で「IMF]の管理下で激痛を伴う経済改革を余儀なくされました。が、いまギリシャから始まったヨーロッパ、ユーロ圏の破綻はおそらく楽観論をあざ笑うように、これからさらにPIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)と言われる国々で国債の金利が高騰して、先月開催の真壁先生の講演でも金利7%が危機ラインと指摘しておられますが、ユーロ圏17 か国、EU27 か国が巻き込まれ、更にはそれぞれ地雷を抱えるアメリカ経済、中国経済、日本経済が影響を受けて、政権交代がほとんど全ての国で起こるでしょう。そしてすでにアラブ諸国が長期独裁政権の崩壊、EU 既にPIIGS 各国では首相が代わりましたが、11月20日のスペイン総選挙でも政権交代を国民は求めるでしょう。
問題解決には各国国民が痛みを受け入れるかですが、貧富の格差が「構造的なもの」になり、今感情的なデモなどの行動に終わり、各階層共に「人間の業ごう」である「自分が良ければ」に流されてしまいそうです。
我が国も絶望的な「政治不信」が国民の自己防衛本能を刺激して「大局より身の回り」、見て見ぬふりをする国民の増加は消費に消極的になり、政府の増税は税収を下げるだけです。意味のない財務大臣の円高阻止は「税金、国富10
数兆円」をどぶに捨てただけであって、スイスフラン防衛に断固たる姿勢のスイス政府、中央銀行の決意の爪の垢でも煎じて飲んでもらいたいものです。
自然の脅威、人為的破綻、専門家でない原子力村住人(経済産業省原子力委員会)いわゆる「東電福島第一原発」周辺は今後40 年近くに渡り、「帰りたいけど、帰れない故郷」になってしまわないでしょうか?? 佐久平にもホットスポットがあるくらい世界に信用されない政府、東電の発表データの自己保身、政府の当事者能力不在、一方民間経済界も大王製紙、オリンパスのようなガバナンス不在は情けないですよね~~
こんな2011 年を早めに見切り、新たな価値観をもって2012 年を攻めていきたいと願います。
平成23 年11 月18日記
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