日本にとって「3.11」が新たな記憶に留めなければ成らない日になりました。改めて被災された皆様にお見舞い申し上げますと共に亡くなられた方々への心からの哀悼の誠を捧げます。

  三陸沖400 キロに渡り最大値M9.0 の大地震をきっかけに連続して4 地点で地震が発生、直後に過去最大級の津波が沿岸を襲い、いまだ安否不明の方々も多数居りますが犠牲者20,000 人を越えて歴史的な悲劇が続いて居ります。

 さらに東京電力 福島第一原子力発電所群が地震、津波に飲み込まれて拙劣な初動の判断遅れも重なり、現場で必死の努力をして居られるにも拘わらずまた、上から目線の権力に阿おもねる不公平な計画停電等、安堵できる状況に至る道筋さえも見えません。

 地震、津波の被災者が各地で見せている日本人の底力、品格、地域の絆、冷静な相互扶助、わき起こる日本人庶民の連帯感、支援の熱い心、など日本人の資質には世界中が感動して敬意を表しております。

   一方、批判は短くしますが、国家の最大の危機に命をかけ大局的判断を求められる首相が思いつきの発言をして顰ひん蹙しゅくを買って居ます。内閣としての協働は形ばかりで党内抗争、政局から離れられない貧しい集団です。

同時に東京電力、社長も雲隠れしたように規制で過保護になっている「公益」に名を借りて日本経済界のトップに居座っており、即刻辞任して貰い、技術が分かる事務方でない社長が必要です。私ども中小企業の社長の抱える、現場主義、逃げない経営、自己責任どれからも逃げ回って居り、万死に値します。

  一番大事な情報管理も政府、東京電力、原子力保安院、現場と統制がとれず世界に不安をまき散らして日本への安全評価を下げ続けています。アメリカは80 キロ圏、イギリスは150 キロ圏からの待避を自国民には伝えて帰国への特別機を用意しており、ドイツのルフトハンザ航空は成田への着陸を避けて居ます。政府発表の原発の今後の数値や対策には世界中が懸念を示しており、日本のメデイアの情報より、アメリカCNN、英国BBC の情報に注目が集まって居ます。

  素人の官房長官談話より専門家の説明が必要ですし、何より東京電力の当事者意識を持った言動が必要です。今ほど政治が、政治家が機能不全、公益を、国家国民を離れて空しい言葉遊びにふけっている危機的な時代は過去にないように見えてなりません。
国会議員ひとり残らず被災現場に身を運びボランティア活動に汗を流し、被災者の傷み、悲しみを共有してこその議員ではないでしょうか?

  それはともあれ、我々は今日本再生に向けて全国民が足下の空虚な贅沢を捨てるべきです。私達日本人は関東大震災からの復興、そして第2 次世界大戦敗戦後の復興に先祖先達が示したように艱難辛苦に耐え忍びつつ国民が一丸となって力強く歩んできたわけですから。

「新たな国創り、良き日本人の精神の復興」に向けて行動を起こしましょう。

  津波が襲った沿岸の地盤沈下は平均75 センチと言われていますから、従来の場所に町創りは無理では無いでしょうか。平成7 年に起きた阪神淡路大震災よりも今回の東日本大震災は被災面積が広大で且つ市町村が多数分散しています。原発事故も重層し新しい町を創るにも難渋する幾多の問題を解決していくにはかなりの年数がかかることになります。
  まずは新たなマスタープランを世界の知恵を集めて創り、被災者、国民に示すことから始めないと成らないと確信しております。


 
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