第二次菅内閣改造の目玉に、元自民党の知的リーダーの一人だった与謝野さんが経済財政担当大臣に任命されました。

  この人事において1月24 日㈪から始まっている今年度通常国会では、恐らく与謝野大臣に対して集中砲火が野党自民党からは勿論のこと、与党民主党からも浴びせられると予見しております。敢えて本稿では与謝野大臣の心中を忖度して擁護論を述べさせて頂きます。

 現在の国会は機能不全を起こしており、国家国益、国民、領土を守ることが最優先であるにも拘わらず、大半の国会議員は不勉強であり、「志」も借り物のように見えます。衆議院代表質問のテレビ中継を見ていますと、氏名標から見てとれるのは登院しているにも拘らず空席の目立つ議席や、居眠りや雑談する様子が映し出されていますし、答弁する大臣は相変わらず官僚が作成した書類に頼っているのが常態化しています。

  先般当所青年部が主催してくれた「田母神元航空幕僚長」講演会の発言ほど直裁に「日本はアメリカ派、中国派といった国会議員が多く、日本派の議員が誠に少ない」「日本はアメリカ、中国の餌食」であると言うほどの勇気はありませんが、それでも戦後60 年余で日本の伝統、文化、義、礼、恥をここまで喪失させたのは誰の所為でもなく、戦後の教育、国防、アメリカ依存、自立の気概、拝金主義それぞれの偏りは我々国民の共通の責任でしょう。

  小沢ガールズ、小泉チルドレン、とか軽薄なメディアの偏向した報道姿勢の風にあおられて、小選挙区制度の悪い面ばかりが目立つ選挙を通して当選してきた多くの議員は、自分の特権だけは譲らず、「誰が稼ぐか!!」を考えずにモラル崩壊に繋がる「バラマキ」政策が優先されている中で、私ども地方の企業は「やる気」「事業承継」「新規創業」の機運が萎えるばかりです。

 そんな中で「歌人 与謝野鉄幹、晶子」の孫に当たる与謝野大臣の今回の批判は当然予測しながらも、政治家として年齢72歳の今、「命懸け」で国政を担う人材が見えてこず、右顧左眄し小沢問題一つ解決できない現政権下であっても、「政治家 与謝野 馨」としてはなんとしても持続可能な社会保障制度や年金、そして世界でも最悪に近い国家財政の再建に望もうとしていると、私は愚考、判断しております。

  おそらくは与謝野さんの思いは国会で共有されることなく低次元の告発めいた批判により、また、菅総理の不定見による「とかげの尻尾」扱いに翻弄されて国政から去る決断に至るのではと懸念して居ります。但し、皆さん、与謝野大臣の主張、政策案は真っ当なものであり、批判する国会議員の責任放棄が国民に大きな代償を押しつける事になると思います。
  いわば同世代としての責任感から逃れられない68 歳の独り言ですが、よくよく我が国の現状を認識し未来を支える次世代に夢を、日本人としての誇りを引き継げるように願うばかりです。




 
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