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組織も魚の王様「鯛」も外から見えぬ、内臓、頭から腐り始めます。日本の不幸の始まりも政治、経済ともトップへの不信、不安と目先の「疑似餌」に釣られる、私ども国民、凡人の「五欲」から目先の欲に駆られて、メディアには翻弄され、今の、この先のこの国の不幸が政治、経済とも「目の前に有る危機」が迫っています。
まず、国民は自民党の長い権力の座での政官癒着構造から「政権交代」によって清新な日本政治がはじまることを夢見ました。
私個人も政権交代は支持しますが、国民の多くの目線をまとめれば、それは過去の自民党的権力者の小沢幹事長や少なくとも脱税の罪を背負った鳩山総理を政権中枢から放り出して、次世代の民主党の汚れのない政治家に日本の未来を託して「本当の政権交代」のスタートをきる自浄作用が行われなければなりませんでした。
しかし小沢幹事長への権力の集中は独裁的で「古い、古い、田中角栄流、数の論理」又、「壊し屋」と言われるように過去、幾多の政党を作っては壊し、その度に私腹を肥やしてきたこと、過去の発言に責任を持たず、権力維持の方便に嘘を重ね今は徹底的に自民党を壊している最中です。
それは小沢氏の猜疑心の、また、小心で「過去の我が罪」を認識しているからこそ秘書をトカゲの尻尾のように使い捨て、同志として信頼関係があると信じていた多くの政治家をも切り捨てて来た。最近の側近と言われる細野豪志衆議院議員がテレビに映し出されている顔がまるで「能面」のように表情を隠している姿が哀れです。
さらに鳩山総理の個人献金リストの「嘘」、母親から年間2 億円近い、私どもの生涯賃金に相当する「贈与」を知らなかったと強弁する姿も情け無いことです。
鳩山さんへの妙な中年女性の支持は名門、大金持ちとのイメージからくる誤解によるもので、確定申告の時を迎え忸怩たる思いで見ているのは私だけでしょうか。
少なくとも90 歳を越えた母親へ出来る仕打ちでは無く、親不孝も極まれりで母親を守るために「潔い辞任」こそが生みの親への感謝の示し方でしょう。
さて、経済界をみると世界中に広がる「トヨタのリコール問題」は、単にトヨタ1 社の問題で済まない、衝撃波は「MADE IN JAPAN」全ての「ものつくり企業」大中小問わず甚大な津波に飲み込まれる危機を招いています。
私は個人的にトヨタが生産世界一を目指さぬよう、願って来ましたがアメリカ市場への販売量、利益の過剰な依存、に加えてテキサスにアメリカの自動車産業の最後の利益を産んでいた「SUV」大型車の対抗車「タンドラ」の工場を立ち上げたときには肝を冷やしました。
また、トヨタの財務はトヨタ銀行と言われる強固な安心感を周辺産業、業界、国民が抱いていて桁違いの無借金企業と思われていますが、実は既に連結で「12
兆円」を越える借入れも有る、日本最大の借入金を持つ企業でもあるのです。
「三河の田舎者」と揶揄されながらも「質実剛健」の経営が失われているのです。
自動車産業は誠に裾野の広い、2 万点を越える部品の集合体から、エレクトロニクス、IT コンピュータ技術の固まりに変わり、さらに参入障壁が高かった業界から電気自動車に移りつつあるいま、勿論すぐにではありませんが誰でも参入できる産業に移行中です。
日本中の世界市場で戦う日本企業にとって戦後長い時間をかけて先達が築き上げた日本品質への信頼は今回のトヨタのリコール問題で破壊され、中国や韓国企業の進出、競合を激化させることは間違いありません。
起きてしまったことはやむを得ないと思いたいが日本のリーダー企業が犯した成長でなく膨張の結末は計り知れない後遺症を残すことでしょう。
政権交代に国民が託した希望、日本経済の基盤である高品質への世界からの信頼共に「頭から腐る」ことにならぬよう、「縋る」思いです。
平成22 年2 月14 日執筆
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