
|
|
|
昨年夏の終わりまでの日本の経営者の楽観論は今ではメデイアの過剰な悲観論に引きずられることとなり、アメリカ発と言っていたこの状況も我が国ではその前から年金問題、医療介護問題をはじめとした政治、行政機構への不満、不信、不安が抜き差しならない所まで日本人の気持ちを惨めにし、そしてやるせない感情が強まり親の世代から子供達へのモラルハザードの連鎖と、足下を見れば次への展望はあきらめに支配されそうになりますよね??
でも我々、商工会議所会員として業種、企業の大小を問わず、経営者として目の前の現実に日々、足を取られる事ばかりですが、「百年に一度」の危機で有るならば、それを「百年に一度」のチャンスに変えていく知恵と行動が求められるのではないでしょうか?
その為には自らの視点、視野を高く高く舞い上がり俯瞰し、足下の虫の目の景色を一時離れて次の道筋や方向を見極めて、与えられた「天職」である今の仕事のモデルチェンジを、次世代を担って行く後継者共々自己責任を持って挑戦して行くしかないのではないでしょうか!!
その自己変革こそが私どものように先代から引き継いだ者や創業者を問わず、今、求められていると信じております。
ひとつの例として弊社グループの中で、自動車部品を世界市場に自社ブランドで販売しているエムケーカシヤマのここ暫くの活動報告と感じたままを僭越かと思いますが書かせていただきます。
年初来、長男にはアジアを、次男にはロシアと東欧を、そして私はヨーロッパと中近東を駆けめぐり、国内事情と海外事情を新聞や雑誌、テレビの情報とは違う客先の国の政策や為替の影響、そして企業の在庫事情・資金繰り・回収状況・競合関係・経営者の対応・ビジョン等々を現地で見聞して歩き、情報を共有しつつ相互理解を深め、長所、短所の自覚(特に私なんですが)をいたしました。
同時に日本に多くの国からの訪問客も迎えました。その中にはイスラエル、モンゴル、ギリシャやポーランド、更には多くの国内海外で販売してくれている代理店社長とも情報交換を重ねて来ました。
そして分かったことは回復の時期は別として弊社の市場は、条件は移り変わりながらも確実に存在するということでした。ただし、勝ち残るには限りないコスト競争、品揃え、信頼関係の維持が必要です。弊社としては国内の販売強化や佐久の生産能力の適切な規模縮小、インドネシア合弁の強化、インド工場の早期安定化、ヨーロッパでの流通機能の設置等の対応を確実に子供達と役割分担をしながら「百年に一度」のチャンスにすると同時に、子供達が私をはるかに超える経営者に成長してくれることの後押しが出来ればと願っています。
 |
クウェート訪問先での昼食 |
直近には二泊四日でドバイとクウェートの取引先を訪問しました。一年半前の訪問時に聞かされていた高級リゾートホテルや高層ビルや一泊2000ドルから6000
ドルまでの超高級女性専用病院の建設、高級デパートの開設と相次ぐ積極投資をしていたので、借金で首が回らなくなっているのではと心配しながらの訪問でした。
この代理店は30 年来の取引先で、オーナーはクウェート王室顧問を務める名家です。
 |
国王の看板が設置されているドバイのメインストリート |
相変わらずの行き届いた歓迎をしてもらい、禁酒の国でも有るところには有る高そうなウイスキーを飲みながら、深夜までこちらのうるさい質問攻めにも明快な回答を受け、弊社との関係は揺るぎないのだと確認できました。
同時に多くの投資は合弁型であり自分たちのリスク管理は安心して欲しい、また関心の有った女性専用の病院(産科、老化防止、エステ、美容整形)は、既に現地のセレブにとってはこの病院で出産したことがステータスになっているとのことでした。視察もしましたが600
名のスタッフと多国籍ドクターによる診断そして提携リゾートホテルのサービスをみてこのようなコンセプトは日本には無いなあ、と健康を切り口に業種多様化を進めている先見性に改めて敬意を感じたのでした。
 |
出産後3日目に行われる病院内のパーティールーム
(中央にあるのは産婦さんのベッド) |
ただクウェートもドバイも国家としての建設工事の中止や延期による失業問題は深刻で、特にドバイは隣国のアブダビ首長国に飲み込まれそうな瀬戸際のようでした。
前に寄稿しましたドバイについて「砂漠の蜃気楼」「バベルの塔」と表したことは当たらずとも遠からずでしたが、国の盛衰は儚いものだと改めて感じ、日本の政治状況は冒頭申し上げた「問題先送り、
政局優先、国民不在、責任転嫁、矮小化」と切ない思いが募るものの、経済や経営の自立は言い訳が聞きません。
会員のみなさまと共に新たな年度を新規事業、新たな特別委員会の設置等をお認めいただき私達の佐久地域の変化を促進し、会員が参加して新たなチャンスになるよう役員議員、事務局職員一同とともに地域総合経済団体として商工会議所活動に「元気」を注いで行きたいと努力して参りますので、新年度もご指導、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
|
|
 |
|