景気の急激な悪化による経済環境低迷の影に隠れてしまった地球温暖化問題は、昨年7月の洞爺湖サミット開催において熱く議論され、その後キャップ&トレード(排出権取引)等、話題を集めたものの以降トーンダウンしてしまった。

 昨年4月から実施された京都議定書の目標を達成するには、日本は2008年〜2012年に温室効果ガスの排出量を1990年の基準に対して、6%削減する必要があります。しかし2007年度の温室効果ガス総排出量は13億7100万トンと、1990年(基準年)の総排出量12億6100万トンを8.7%上回っており、国際公約である京都議定書の目標達成には合計14.7%の削減が必要になります。

 批准当初から、“乾いたタオルを更に絞る”と表現されたように、削減目標自体が大変厳しい困難な状況の中、国は「チームマイナス6%」・「一人一日1kg」といったCO2削減目標を提唱しています。地球温暖化防止の、ものづくり・まちづくりを通して持続可能な低炭素社会を目指し、国際公約を履行すべく躍起になっているのです。

 ここまでして日本が温室効果ガスの削減に努力しても、経済成長が著しい中国・インドを始めとする発展途上国の増加分を相殺することは不可能です。しかし国際社会に対して、6%削減の約束を守ることが成熟した国家、日本としての責務なのです。

 現状の厳しい経済情勢の中、国は新エネルギー(太陽光・風力・バイオマス等)などの環境分野へ投資し、雇用の拡大と景気回復につなげる「日本版グリーンニューデール構想」を模索し始めました。特に温室効果ガス排出削減に直結する太陽光発電の設置を推進し、補助金の拡充、税制上の優遇等積極的に普及拡大をはかっています。

 商工会議所においても、すでにLLP(有限責任事業組合)佐久咲くひまわりの「メガワットソーラー事業」  〈1メガワット=1000キロワット〉により、会館屋上に30キロワットの太陽光発電設備を設置しました。クリーンエネルギーの設置効果は、一般住宅7〜8軒分の使用電力量に相当し、年間約20トンのCO2削減に貢献しています。この先進的な取り組みは、日本商工会議所において高く評価され、更には地球温暖化防止活動環境大臣賞の受賞に輝いたことは大変喜ばしいことです。今後、晴天日数が多く日照時間の長い当地域で、太陽光発電が拡大し地球温暖化防止の先進地として、大きく花開くことを期待します。

 ところで、地球温暖化防止の切り札である「太陽光発電」は、「タイヨウコウ」・「タイヨウヒカリ」さてどちらが正しいでしょうか?読み方に明確な定義はないし、どちらも意味は通じることから、今のところどちらでも良いとのこと。読み方を統一しようとの動きもないようです。今後、太陽光発電の普及を進めるためにも、また、環境・エネルギー教育を進めてゆくためにも読み方の統一は必要であると思うのですが、何かと曖昧なところが日本的なのかもしれません。

 
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