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水虫の話は新聞、テレビ、雑誌、ポスターなど、さまざまなメディアでことあるごとに取り上げられています。また最近では医療機関で処方されるのと同じ水虫薬がかなり市販化されるようになりました。にもかかわらずどうして水虫は治らないんでしょうか?今回は水虫が治らない理由についてお話したいと思います。
その@-本当に水虫か?
足にかゆい発疹ができたら、あるいは足の裏がかさかさしてきたらそれはすべて水虫なのでしょうか?もちろん足の発疹で一番多いのは水虫かもしれませんが、他にも湿疹や掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)などがあります。
そのA-塗り薬とその人に感染している白癬菌(水虫の原因菌のかび)との相性
残念ながらいかなる白癬菌をも完全に死滅させる塗り薬は存在しません。それゆえ世の中に数え切れないほどの水虫薬が存在するのでしょう。いろいろな塗り薬を使っても効果ない場合、ときに内服薬を使って治療することがあります。(そのEの爪水虫のくすりと同じ)
そのB-塗り薬でかぶれる。
これが一番多いのではないかと思います。水虫の塗り薬で、約2〜5%位に接触性皮膚炎(かぶれ)が起こります。病変部がびらん化(ただれている)しているとより起こりやすい印象があります。また、大人より子供さんの方がより確率が高いように思います。ときに「かぶれ」の方が最初の水虫よりよっぽど重症の場合もあり、医療機関で処方される塗り薬でも例外ではありません。
そのC-塗り薬でみかけが良くなった時点で自己中止してしまう。
水虫の原因である白癬菌は肉眼では見えません。ですから皮膚症状が消失した段階ではまだ白癬菌は残っています。適切な期間塗り薬を塗る必要があります。
そのD-一旦治っても、再感染した。
特に家族に水虫の方がおられるときは要注意です。スリッパの共有や風呂上りのマットなどで再感染→キャッチボール現象を起こし、なんども皮膚科に通院するはめになります。
そのE-爪にも水虫がある。
爪の水虫は塗り薬での完治率が低いです。いくら足の水虫を治療しても常に爪から白癬菌が供給されて、すぐ再発します。爪の水虫は内服薬を使うことが多いですが、副作用や併用薬による制限があり医療機関でしか処方できません。
いずれにしても水虫という病気が、通常では緊急性や重篤性の低い病気であるがゆえに医療機関を受診するのをためらったりもすることも、治りにくい大きな要因であることはいうまでもありません。しかしながら、水虫の病変部から二次感染(細菌感染)を起こし、抗生物質の内服(あるいは点滴)が必要になる方などもいます。この際水虫とは縁を切りたいとお考えの方は、最寄の皮膚科を受診されてはいかがでしょうか?
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