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健康コラム予防医療で元気はなまる企業に!

 骨粗鬆症について最近は皆さんよくご存じのことと思います。特に気になるお年頃の女性の方は予防や治療をされている方もいるかもしれません。骨粗鬆症は簡単にいうと「骨が弱くなって折れやすくなる病気」です。骨粗鬆症はそれだけでは無症状のことが多いですが、軽く尻もちをついたり、ちょっと転んだだけで骨折してしまうことが問題です。骨折としては背骨(脊椎圧迫骨折)や脚の付け根(大腿骨頚部骨折)、手首の骨折(橈骨遠位端骨折)が多く、寝たきりや日常生活制限の原因になります。そのために骨粗鬆症は予防しなければなりません。

 骨が弱くなる原因は様々ですが、女性で問題となるのは女性ホルモンの影響です。閉経期前後には女性ホルモンが低下し骨代謝に影響し骨密度が減少してきます。その後女性ホルモンが出なくなるとゆっくりと更に骨密度が低下します。またカルシウムの摂取不足や吸収低下、その他骨代謝に影響するビタミン類(特にビタミンD)の不足などが骨粗鬆症の原因となります。さらには運動不足、喫煙、大量の飲酒も骨の強度を低下させ、骨粗鬆症になりやすくなります。また糖尿病、関節リウマチといった病気も骨粗鬆症になりやすいと報告されています。

 ところで男性には骨粗鬆症がないのかというとそうではありません。やはり加齢により骨密度が低下し骨が弱くなり、骨折し易くなりますので、男性の方も要注意です。

 それではどのように骨粗鬆症を予防すればいいのでしょうか。皆さんご存じの通り、やはり食事からのカルシウム摂取は必要です。しかしそれだけではダメで、骨の基質となるタンパク質や各種ビタミン類(D、K、Cなど)、マグネシウムなどのミネラル等バランス良く摂取して頂くことが重要です。さらには適度な運動をすることで骨の強度を増強させ、さらには筋力やバランス力もつき転倒予防にもつながります。こうした予防法を実践しても骨密度が低下している、骨折してしまった、など骨粗鬆症と診断されてた場合はやはり薬物による治療・予防が必要となります。骨粗鬆症のお薬には多くの種類があります。現在よく使われているのは活性型ビタミンD3、骨にのみ作用する女性ホルモン、ビスフォスフォネートといわれる骨吸収抑制剤です。これらは骨粗鬆症を治療する医師が個々の骨密度、骨吸収マーカー(尿や血液で分かる骨の壊れ具合の指標)、骨折の既往、食事内容、運動の有無などを考慮して治療薬を選択します。骨粗鬆症はやはり予防が大切です。骨粗鬆症が気になる方、お年頃の方は骨粗鬆症専門医を受診し、骨粗鬆症の検査や予防方法、治療などのアドバイスを受けて下さい。 

 
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