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立つ時や階段で膝が痛い、寒くなると膝が痛い、正座ができなくなってきた・・・など膝に関する症状をよく聞くことがあります。膝痛の原因は主にケガによるものと加齢によるものがあります。ケガによるものには捻挫・靱帯損傷・半月板損傷などがあります。靱帯損傷としては内側の靱帯(内側々副靱帯)と関節の中にある前十字靱帯損傷が多くみられ、スポーツで起こることが多いです。また半月板損傷ですが、半月板とは膝の関節の隙間に挟まっている半月の形をした軟骨のクッションで、内側と外側にあります。やはりスポーツで受傷することが多いですが、中には日常生活の中で階段の上り下りや立つ時などに膝を捻って発症する方もいます。半月板は年齢と共に傷んできますので、年齢が上がるとちょっとした拍子に半月板が傷むことがあります。半月板が傷むと立ち座りでの痛みの他に、正座ができなくなるなど膝の曲げ伸ばしに制限が出たり、引っかかり感が生じたり、時には引っかかって膝が動かなくなってしまうこともあります。半月板損傷は通常のレントゲンではわからず、MRIにて診断します。基本的には鎮痛剤や注射、リハビリなどで治療しますが、症状が改善しなかったり強い場合は関節鏡という内視鏡での手術をします。
また加齢による膝痛としては変形性膝関節症といわれる軟骨がすり減ってくる病気が代表的です。膝関節には内側と外側がありますが、日本人は主に内側がすり減ってO脚になることが多いです。軟骨のすり減り方は個人差があって、早い時期にすり減ってくる人とそうでない人がおり、最近の研究では遺伝子が影響しているとのことです。治療としてはやはり鎮痛剤や関節への注射、サポーター、温熱療法などありますが、運動療法は痛みを軽くする、また進行を食い止めるまたは遅くする効果があります。例えば椅子に座って膝を伸ばす、仰向けになって脚を伸ばしてあげる、お風呂の中で背中をつけて浴槽の前の壁を足裏でゆっくり押す、などの運動があります。これらの運動をするだけで痛みが軽減するといわれています。もし膝痛のある方は試してみて下さい。変形性膝関節症もこうした保存的治療で改善しない場合は手術療法が適応となります。手術としては前述した関節鏡手術から人工関節まで様々な手術療法があり、進行具合によって術式が選択されます。
膝もそうですが、自己流の治療は症状に悪影響を及ぼすこともあります。膝が痛いなと感じたら速やかに整形外科を受診することをおすすめします。脚のかなめ「おぼさん」を大事にしましょう。
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