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健康コラム予防医療で元気はなまる企業に!
予防接種
さとう小児科 院長 佐藤邦彦
佐藤院長写真

数年前、長野市役所の職員の間で麻疹(はしか)が流行し、入院した方もあったかと思います。風疹(三日ばしか)の予防接種をしたことがあるにもかかわらず、妊娠初期に風疹にかかり、障害児が生まれることもあります。また、医師、看護師等の医療従事者麻疹や水痘(みずぼうそう)にかかり、入院することもしばしばです。

このような病気は子供のもの、と思われている方が多いかと思いますが、大人でもかかる可能性があります。特に麻疹や風疹は幼児期に予防接種した人が成人になってかかることがあり、それを防ぐために欧米では2回接種が「常識」となっています。日本では本年4月にようやく、現在の1歳台の子供から2回接種法(1歳台と幼稚園・保育園年長児)に変わりました。
2ヶ月後の6月、現在の年長児も2回目(1歳台に1回接種しているはず)接種が可能になりました。公費負担ですので、市町村は予算捻出に大慌て。来年度から実施という所もあるようですが、佐久市は担当部署の方々がご苦労され、そのお陰で6月のうちに公費接種ができるようになりました。

以前、小児科病棟勤務の看護師さんが麻疹、水痘、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)にかかったことがあるか、調べてみたことがありました。本人が「かかったことがある」と申告していても、血液検査でかかってないことが判明した人が1割位ありました。また、小児科医なら誰でも名前くらいは聞いたことのある予防接種の専門家が、病棟の看護師さんを症状から「絶対風疹だ」と診断したものの、血液検査をしたところ違っていた、ということもありました。これらの事例からわかるように、記憶、診断を100%信じていると痛い目に遭う可能性があります。本人のみならず、病欠で職場の同僚や企業にも負担がかかります。
大人の予防接種はインフルエンザやA型肝炎、B型肝炎ばかりでなく、麻疹、風疹、水痘等も必要に応じて接種を考えてください。

 


 
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