前回、前々回は生活習慣病についてお話しました。肥満や運動不足により引き起こされる高血圧、糖尿病、高脂血症はまさに生活習慣病ですが、喫煙や飲酒が原因となる生活習慣病もあります。それは癌です。喫煙はほとんどすべての癌のリスクを高めますし、飲酒も胃癌や食道癌などの消化器系の癌のリスクを高めます。胃癌、食道癌に関しては現在上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)が発達したために以前よりは早期発見、早期治療が可能になりました。肺癌に関しても検診にヘリカルCTが導入されるようになり、早期発見が可能になってきています。
男性に特有な前立腺癌もPSAという腫瘍マーカーや超音波検査で比較的侵襲少なく発見できるようになっていますし、女性の乳癌、子宮癌も検診の方法や期間が確立されつつあります。ご存知のように癌は不規則に分裂を繰り返し無限に増殖するため、腫瘍の周囲に浸潤(被膜を破って周囲に広がって行くこと)したり遠隔転移(遠くのまったく違う臓器に飛んでしまうこと)したりして正常な臓器を侵して行きます。そうなってしまうと治療が非常に困難になり、治癒率もさがってしまうので、できるだけ早期発見、早期治療開始が望まれます。それには定期的な検診が一番有効で、症状が出てから病院に行くのでは遅いです。
以下に一般的な検査の内容を示します。
◎胃がん・食道がん→上部消化管内視鏡(胃カメラ)◎大腸がん→検便(便潜血反応)これで引っかかれば大腸鏡へ◎膵臓がん、胆のうがん、肝がん→腹部超音波検査◎肺がん→胸部X線写真、ヘリカルCT画像◎前立腺がん→腹部超音波検査、腫瘍マーカー◎乳がん→マンモグラフィー(乳房のX線写真)◎子宮がん→子宮がん検診(細胞診)、内診現在は機器も発達しており検査も痛くなく、スムーズに行えるようになっています。あまり怖がらずに定期検診をすることが、がん退治の早道と言えるでしょう。
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