前回号では生活習慣病についてお話しました。
肥満に合併する高血圧、糖尿病、高脂血症は心筋梗塞などの虚血性心疾患を引き起こす重大なリスクになるというお話をしました。ではそのおおもとの肥満を克服するためにはどうすればいいでしょうか?肥満の克服方法といえばずばり食事療法と運動療法でしょう。
現在マスコミ等で様々なダイエット法が宣伝されていますが、この二つの基本を守らずにダイエットに成功することはまずありません。ダイエットとは食事療法のことで単純に食事の量を減らすことだけではないのです。
バランス良くたくさんの種類の食物を取ることで体に必要な栄養素をきちんと取ることが出来ます。偏った食事や無理な減量をして骨粗鬆症になってしまったり、代謝の悪い体を作り余計に脂肪が燃えにくい体質になってしまっては逆効果です。
よく「黒酢ダイエット」や「納豆ダイエット」、「アイスクリームダイエット」など様々な単品食品のダイエット方法がありますが、どれも個々の食品は優秀でもそれだけでは一日に必要な栄養素はとれません。1日1600カロリー程度の必要な量をきちんとバランス良く取ることが肥満克服への近道だと思います。
また、食事療法だけでなく、運動療法もやはり必要です。体を構成する筋肉の量が増えればその分脂肪も燃焼しやすくなり、余分な脂肪が無くなります。私は体重はあまり気にしておらず、体格・体型やウエスト・ヒップのサイズを目安にするのですが、それは体重ではわからない、筋肉や脂肪の構成に目を付けているからです。もともと筋肉は脂肪より比重が高いので筋肉質の人は同じ体重でもただ脂肪が多いだけの人より締まってスタイルもよく見えます。どちらがより健康的かといいうと、やはりでぷっと太った脂肪太りの人より締まった筋肉質の人の方がより健康的でしょう。そのためには運動は欠かせないといえます。
推奨される運動としては、やはり有酸素運動でしょう。有酸素運動の中でもプールを利用した水中運動は水の抵抗で運動量も多く、膝や腰への負担も軽くなり高齢の方でも安心して行えます。また水圧によりマッサージ効果ではスリミング効果も期待できます。佐久市には沢山の温泉、プールがあるので、一度試してみるといいと思います。食事療法、運動量法の二本立てで正しい知識によりダイエットを実行しましょう。次回は「生活習慣病以外の成人病について」です。
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