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冬の皮膚病1
おおくら皮フ科院長 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医 大倉俊雄
大倉院長写真

佐久の冬が始まります。水虫、かぶれ、虫刺されが夏に多い様に、冬に多い皮膚病というものもあります。今日はその中でも皮脂欠乏性湿疹(乾燥性湿疹)と凍瘡(しもやけ)についてお話します。

皮脂欠乏性湿疹とはその名の通り、皮膚の保湿成分が欠乏して弱くなり、各種刺激によって炎症を起こし、激しいかゆみが起こる病気です。成人の場合、両下肢の全面に起こりやすく、かゆみがあり、皮膚の表面が粉を吹いたような状態になり、進行すると魚のうろこのように見えて赤みを伴います。ひどくなると腰や背中などの体幹部や上肢にも広がることがあります。
こたつや電気毛布の使用で悪化することも多いです。

幼児や小児の場合は最初から胸や腹部、背部に鳥肌のような皮膚で始まることが多いです。風呂上がりや入浴時に特にかゆくなります。これもひどくなると全身のあちこちに広がります。この佐久平地方は空気が乾燥し、気温も冷涼なので有病率が多いように感じます。予防は入浴時に使う石鹸を保湿型石鹸にしたり、保湿型入浴剤を入れたり、すこしでもかさかさしてきたら保湿剤を塗布するなどで発症をおさえることが出来る場合もあります。
しかしある程度症状が強くなれば、最寄りの皮膚科を受診してみてください。その症状によって適切な外用剤(保湿剤や抗炎症剤など)と必要があればかゆみ止めの飲み薬が処方されます。

凍瘡(しもやけ)とは主に冬季の気温低下によって、主に小児の手や足のゆびや、耳に循環障害が起こり、発赤と腫脹と激しいかゆみが起こる病気です。もちろん成人に発症することもあります。重症の場合には水疱が出来て痛みも出てきます。やはり当地のような冬が厳しい地域には多いように感じます。予防は、局所の保温、汗をかいた後はすぐふき取ること、マッサージで循環をよくするなどです。皮膚科での治療は軽症であれば血流を良くする塗り薬、症状が強ければ飲み薬の併用。重症の場合注射が必要になる場合もあります。たかが「しもやけ」と放置せずに症状が強い場合は皮膚科を受診してみてください。

 


 
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